2018/05/08 20:55

もう5日も前になってしまいましたが、マコモダケの準備をしました。

Kimidori Farmではより良いマコモダケを作りたいがために、毎年株を掘り上げて、株分けして植えています。これがなかなかの重労働です。

昨年はこの時期に女性WWOOFerさんがいてお手伝いしてくれたのですが、2株でもう無理・・・と。The 力仕事です。

こちらは、掘り起こしたばかりのマコモダケの株の写真。


なんだかちょっと、クリスマスなんかに飾るイルミネーションライトを思わせる形をしています。

 

マコモダケはイネ科の植物ですが、竹のように地下で根が横に伸び、また上に向かって伸びて株が大きくなるという性質があります。 竹のような名前で、竹のように伸びて、筍のような食感なのにイネ科の植物、とちょっとややこしいですね。そもそもマコモダケ、は「マコモ(真菰)」というイネ科の植物の根っこ部分が「黒穂菌」というものによって肥大化した部分です。

 

「黒穂菌」なんていうと、菌!?と思ってしまいそうですが、昔はこの黒穂菌の胞子が成熟したものを「マコモズミ」と呼び、お歯黒や眉墨、漆器の顔料などに利用してきたそうです。


お歯黒に使われていたあたりから、マコモは古くからある植物なんだな、と思いましたが、実はマコモの実はお米よりも古い歴史があり、古代は「六穀」にも含まれていたといわれているそうです(今の六穀は、稲・粱(おおあわ)・菽(まめ)・麦・黍(もちきび)・稷(たかきび))。

 

また、マコモダケの葉っぱは、神事や日本の文化、風習とも関係が深く、現在でもしめ飾りやお盆の時の敷物や飾りなどに使われているそうです。お釈迦様がマコモの葉を編んでムシロをつくり、その上で病人の治療をしたという話や、お釈迦様がとても可愛がっていた象に食べさせたのがマコモの葉というお話があったり・・・日本最古の書物である「古事記」や「日本書紀」にも記載されているそうですから、仏教伝来のずっと前から神聖な植物として身近にあったようです。 ちなみに、現代でもアメリカマコモの実は「ワイルドライス」として重宝されているそうで、こちらもやはりネイティブアメリカンの方にとって神聖な食物として大切にされているそうです。

 

さてそんなマコモの根元が肥大してできたマコモダケ。食物繊維が豊富で、デトックス効果が期待できるそうです。 また、浄化、毒素排出の効果があると言われ、 マコモの葉を煎じて飲んだり、 お風呂に入れていると肌が良くなるとか・・・ まだまだ未知の(又は忘れてしまった)知らない力を秘めた植物のようです。

 

調べれば調べるほど興味深くなるマコモ、マコモダケ。湿気地にて栽培します。


田んぼのような所、川沿いなんかの湿気の多い場所を好みます。さすが、イネ科。水大切!


まだ水が入っていませんが、ここに水が入ると田んぼのような湿気地になります。

収穫時期が短く、あまりスーパーで見られることはありませんが、とにかく美味しいです。一度食べたら季節を感じられるようなクセになるような味。 軽く焼いて、炒めて、揚げて、蒸して…沢山の調理方法で気軽に食べられます。 独特の柔らかな甘みとシャキシャキ食感があり、薄味でもしっかり満足できます。そして、ホイル包みにしてバーベキューで焼いたものは瑞瑞しく、なんとなく蟹みたいになるので驚きです。

 

早く食べたいなぁとの一心で掘り起こした株。収穫予定は9月後半。まだまだ先になりますが、順調に大きくなってくれることを願います。