2021/06/08 10:53
孫氏の兵法に「百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」という言葉があるそうです。
百戦百勝しても、そんなに戦えば自分自身もボロボロになり、勝ったところで何にもならない。最善策は、「戦わないで敵を屈服させること」というような意味だそうです。
さて。
Kimidorifarm&kitchenには、ある日突然徒党を組んだかのように登場し、ある日を境に一気に威を張り始める存在がいます。雑草です。
種は土の中に眠っていたり、風で運ばれてきたり、動物にくっついてきたり、とあらゆる手段を屈指して繁殖します。早めに対処しないと、必要な栄養分を盗ってしまったり、日の光を遮ったり、さらには病気をおこしたりと、作物に大打撃を与えます。
雑な草、ってなかなかのネーミングだな、と思いますが、そこらじゅうに本当にいろんな種類が雑多にたくましく生えてきます。
ということで、目的作物の近くでは、作物がある程度大きくなるまで、日々、討伐戦が繰り広げられています。
小さな新芽を傷つけないように、根っこを動かさないように、指先でスイッ、スイッと抜いていきます。どれも簡単に抜けるのですが、雑草は抜いても根っこが土について、水分がついたらそこからまた再生します。・・・生命力に脱帽です。
けれど雑草も悪いことばかりではなく、土壌のバランスを整えてくれたり、土壌をほぐしてふかふかにしてくれたり、というありがたい効果もあります。目的作物にとっては「厄介者」の雑草。でも、全体でみたらちゃんと重要な役割を担っていたりもします。
そこで思うのが
「戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」
いかに、戦わずして雑草の利点を取り込み、かつ自分の目的を達成するか・・・
雑草が生えにくい環境に整えてみたり、緑肥として活用すべく、すきこんで(土に混ぜ込んで)みたり、夏の暑い日差しを利用して策をとってみたり。いろいろと試してみていますがやはり一筋縄ではいきません。
どうしたものかと、頭を悩ませていたその時、一緒に細かい草取りをしてくれていたベテラン農家さんがやや遠い目をしながら一言、
「雑草はな・・・、百姓の永遠のテーマなんだよ」
あぁそうか・・・と、なんだか妙にしっくりと納得してしまいました。
雑草との戦いはこれからしばらく続きますが、あきらめず「善の善なるものなり」を模索し続けようと思います。